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今日はとても天気がいい。 だからなのだろうか、店の方がとても賑やかだ。 私の大切な方 普段から騒ぐといったこととは無縁のあの人だから、賑やかなのはひとえに客人によってものだ。 仏頂面はいつものようだけれど、友人がやってくると、それもどことなしに穏やかに見えるから不思議である。 あの人が座敷から声をかける。 お茶を所望しているのだ。 私はかしこまりましたと返事をして、お茶を淹れにお台所へと向かった。 ふと、お客は何人だったかしらと思い、少し耳を澄ませてみる。 不機嫌極まりない低い声はあの人のもの。 少々聞き辛いけれど高めの声は先生。 先生を叱り飛ばす大きな声は刑事さん――三人だわ。 ああ。 私は一人で微笑む。 ――もう一人、高らかに自分の存在を主張している人がいた。 四つの湯のみにお茶を淹れ、お茶請けと共に座敷へと運ぶ。 だが、いつも中々部屋には入れない。 皆の、あの人の話が盛り上がっているときに声を掛けてはいけない。 場を頓挫させることは、あの人の一番嫌がることだ。 だから、頃合をみつけてさっと入らなければいけないのだけれど、これがまた難しい。 いつものことだと判ってはいるけれど、それでも毎回困ってしまう。 話が途切れないのだから。 次から次へと可笑しいほどに話題が変わり、それぞれに発展していってしまうから、全く切れ目がない。 “男は寡黙” そんなことを此処に来て言える人間などいない。 寡黙どころか雄弁で達弁、言葉の海に投げ込まれてしまうのが妥当なところだろうか。 可笑しなところで切れる人なのだ。 会話が途切れる。 間髪入れずに襖を開けて、お待たせしましたとあの人に盆を渡す。 目だけでありがとうと言われ、私もそれににこりと笑って返す。 ――おお千鶴さん今日もいい天気だなっ ――いや、お邪魔しています。挨拶もせず上がってしまって…… ――ありがとよ。千鶴さんいねえとまともな茶が出てこねえからな ――それを承知で来ているのは誰ですかね 方々会話にならない会話が入り乱れ、私は自然と笑んでしまう。 皆に挨拶をして、ごっゆくりどうぞと言ってから部屋を出た。 中座した会話が再開される。 何だか白熱している。 今日も中々終わりそうにないようだ。 日も大分傾きかけた頃、ふと店の方が静かになっていることに気づいた。 本に大半の場所を占められている部屋を伺うと、あの人だけが座敷に坐っていた。 「皆さんお帰りになったのですか」 声を掛けると、案の定大儀そうな声が返ってきた。 「ああ、漸く静かになった」 仏頂面のまま、すぐ脇にある古書に手を伸ばすと早速ペエジを繰り始める。 つい最近手に入れたばかりの希少本だそうで、この人はえらく大事にしている。 部屋に入り、卓に置かれた湯飲みを片付ける。 全く。 本を読んでいるときが一番いきいきしているのだから。 それでも。 それでもと思う。 いつまで経っても動こうとしない私に気づいたのか、あの人は本から一寸目をあげた。 「どうしたんだ」 「思っていたんです」 訝しげに私の顔を見るあの人を見て、私は笑みを深くする。 「秋彦さんといっしょになれてよかった、と」 私のあの人は 少しだけ驚いた顔をして 「そうか」 とだけ言った。 主にしか懐かない猫が縁側の日向に寝そべって欠伸をしている。 「千鶴子」 「はい」 「茶をもらえるか」 益々不機嫌な声。 私は笑って応える。 「はい、すぐに」 部屋を出るときに振り返ると、あの人は本に目をやっていた。 相変わらずの仏頂面。 でも。 私はうれしくなる。 本の所為だけでなく、少しだけ、表情が和らいでいたから――。 -了-【Written by Mycontrol】 ~蛇足~ はい。やってしまいました(土下座) 京極堂と千鶴さんの日常(?)話です 甘々ではないですが,お互い好きあってるだろうなぁと思ってます だって二人はすでに夫婦だし きっと本よりも千鶴さんのことを大切にしている……ハズ プラウザのバックでお戻りください
by noichigokoro
| 2012-02-11 17:03
| SS
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