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クリスマス――それは聖者の生まれた日であり、恋人たちが愛を語るロマンティックな日である。 寒空の下、仲睦まじく手を繋ぐ二人を祝福するように天使の羽のような粉雪が舞い降りる―― 「そんな情景は美しいと思わないかい中尉」 「今この状況をご覧になってのお言葉でしたら、あいにく私は聞く耳を持ちません」 今この状況。 白い雪どころかロイの周りを埋め尽くすのは真っ白な書類の山。 〆切は今日付けのものばかり。むしろ〆切が過ぎていないのが不思議なくらいの惨憺たる有様である。 いっそさわやかなほどに冷たいホークアイの物言いに、ロイは少しばかり傷ついたような顔をする。 「だから今誠心鋭意努力している」 「努力で間に合うのでしたら、何故ここまで書類を溜めるのですか」 書類処理能力は決して低くなく、あらゆる面で他の者の追随を許さぬ上司だが、なにせ仕事から逃げる悪い癖がある。 優秀なくせに、どこか抜けている。本当に手を焼かせてくれるものだ。 「それに、この天気でロマンティックを語るのも少しばかり無理があるのでは」 目を上げて見遣った窓は、さも温かそうに曇っている。 書類に向かっていたロイも、顔を上げて肯定を示す。 「まさかここまで降るとはな……」 そう。外は未だかつてないほどのドカ雪である。 雪は2日間勢い衰えることなく降り続け、多いところでは2メートルに達している地域もあるほどだ。 例年さほど雪に見舞われることのない東方域は、思わぬ気象におおわらわである。 あまりの積雪量に、東方司令部は手の空いた者に限らず、クリスマス休暇を返上して雪かきや道路整備に走り回っている。 本来ならば、司令官であるロイが先導して除雪作業をするべきなのだが、その除雪作業を許可するための書類が山と出来、どこか矛盾を感じながらもロイは(いつもよりは)大人しくデスクワークに甘んじている。 しかし、その天気も明日で峠を越すらしい。 「まあ、市民の生活に支障を来たさぬまでは、整備が出来たのだからよしとしようか」 今回ロイのデスクに書類の山が出来たのは、大雪という思わぬ事態が発生し、他の書類処理をすべて後回しにしたためでもあった。 除雪機の配置にスコップの配給。雪の重みで切れた配電線の修理。屋根の雪下ろしをするための梯子。それらすべてを手配するにはロイの許可が不可欠だったのだ。 「クリスマスまでに間に合ってよかった」 疲労をにじませながらも笑うロイの顔は晴れ晴れしい。 市民の生活を第一に考えろ、とのロイの一存で整備は急ピッチで行われた。 休暇を返上してまで街の整備に走る軍人たちからは、文句や愚痴はほとんどなかったとホークアイはハボックから聞いた。 誰よりも率先して、街のために奔走する上司の姿をみたからかもしれないっスね、とハボックは笑った。 誰よりも高い志をもちながら、誰よりも優秀でありながら、それでも芯から疎まれたり嫌われることのない上司。 彼の言動は明瞭で、信頼を揺るがすことがない。 たったそれだけだが、たったそれだけがどれだけ成しがたいことか、ホークアイは良く知っている。 ――だからこそついて行くと決めた 「明日はきれいに晴れるそうです」 「そうか」 書類に目を戻し、ペンを動かすロイに、ホークアイはそっと声をかける。 「――積もった雪の中を歩くのも、ロマンティックではないですか」 思わぬ言葉にロイは数回瞬きをし、そして笑った。 「ああ――きっと忘れられないクリスマスになるだろうな」 あれほど降り続けていた雪も、小康状態になろうとしている。 明日には清らかな歌声で満たされるであろう街を思い、ロイは今一度窓の外を見遣った。 白い街は、きっとなによりも美しい。 そして美しいと思えるのは、大切なものがそこにあるからだとロイは知っている。 だからただ祈ろう。 ――I wish your happy christmas. -END-【Written by Mycontrol】 アメストリスにはクリスマスがないって知ってるけど、雰囲気でお楽しみくださいませ(逃)
by noichigokoro
| 2010-12-24 22:08
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